当社の経営理念には「我々は消費者と生産者を直結し、」という言葉があります。
私たちは流通商社でありながらも、ある部分では自身の存在を可能な限り消し去り、豊かな大地であたたかい太陽の恵みを受け育った野菜の体温を、土の匂いそのままにお客様の元へと届けたいと考えています。
ひとも野菜も「いきもの」ですので、本来であれば、同じ自然の中で育ち、とても近い距離にあるべきものだと思うのですが、工場で作られた食品たちと同じようにスーパーに並んで売られる現代では、あるべき姿は忘れ去られてしまったように感じます。
だからこそ、食育活動や農業体験、生きた食べものに触れ合う機会の創出は、当社の社会的責任でもあり、野菜を手にする人たちに「いのちを食する」ことを改めて感じてほしいのです。
想像してみてください。春には筍や山菜が芽を吹き、スイカを齧っては夏を楽しみ、秋は焼芋にキノコ狩り、もちろん冬には炬燵でみかん。
どれも当たり前の景色なのですが、四季に応じて変化する「日本の食」は、他の国々ではありえないほど豊かで、多様性に富んでいます。野菜の名前だけで季節を思い出すことができるなんて、とても素敵だとは思いませんか。
私たちは、この国の幸せな食文化を未来へ持続させていくために、また一人でも多くの方々に「食」を楽しんでもらうために、大切な自然と、日本の農業を守っていきたいと考えています。
おそらく、想像力を刺激する自然のおいしさは、新たな料理や価値を創造し、共感を生み、人を感動させられるものです。
おいしいものをたくさん食べて、たくさん笑ってください。
代表取締役社長 川崎弘真